悪夢をまた見るようになった。
僕の悪夢は双六のようなもので色々な場所をめぐりながら、その場で指示されたミッションを完璧にこなすことで次に進めるという”ルール”がある。そのミッションを完璧にこなせないと永遠にそれを繰り返す羽目になり、そのルールを破った場合にはスタートに戻されることになる。双六を終えるには支持を全て完璧に行うことしかない。
僕はその指示を完璧にこなすことができず、しかしこなそうとして苦しみあがき悲鳴をあげる。悲鳴をあげることで、目を覚まし脱出することが出来ても、もう一度眠ると夢の続きから夢がはじまってしまう。そんな状態だから、何度目かに起きた時には脳はくたくたに疲れ、体はしびれて動けず、起き上がってもまともに歩けない状態が1時間くらい続く。僕に出来ることは、指示されたミッションをひたすら完璧に無心でこなす事だけだった。
その夢をまた見るようになった。
しかし、今日ふと気が付いた。夢の中で、僕の行動や態度を見て評価している者がいること。評価されるから次へ行けたり戻されたりするのだ。僕がやっていることは、その”評価する者”に良く評価されるために、抗う事やミスすることがないように自分を殺し、無心でロボットになる事だと気づいた。これは調教ではないか?評価者は僕を調教しているのだ。おそらく自分が気に入るように。僕は調教されている。。。
そう気が付いて、僕は、その”ルール”を壊したくなった。
ルールを壊し、世界を壊し、支配者を壊したくなった。誰かのルールに従い、気に入られるくらいなら世界を壊したいと思った。
人間関係は、もしかしたら調教も行われるものだろう。人は何者かに調教され、別の誰かを調教する。調教された者は、調教師に気に入られんがためにロボットになる事を自ら選ぶ。しかし内心不満を抱えずにはいられない。
そのような人間関係なら、ぶっ壊して構わない。僕はそう思ったんだ。
ルールを壊す。支配を壊す。世界を壊す。自分の気持ちを大事にする。「少女革命ウテナ」のように。
「ウテナ」では、調教されるアンシーをウテナが救い出す。最終話はアンシーが支配の外に出る。映画版では、ウテナとアンシーが世界の外へ飛び出していく。ウテナの世界を、僕はようやく体で理解したんだ。
「世界を、革命する力を!」